私たちは、生と死の両方を平行で準備をしています。
先週はクライストチャート岡山と倉敷の牧師夫妻と、家族葬と、皆さんと共にジョイスを送り出すお祝い&感謝会の3回目の打ち合わせをした。(この会については、後日お知らします。ジョイスを愛する方に皆に来て頂ければと思います)
出産前から、赤ちゃんの葬儀の打ち合わせをするのは珍しいと思う。
一般的に、産まれて24時間以内に死ぬと言われる無脳児。もちろん、ジョイスが生きることを祈っているが、もし神様の計画で天に召されたときは、しっかりと旅立ちを祝ってあげたいので、出産前から準備をはじめることにした。棺や骨壷も即時発送してくれる可愛い物を見つけた。在庫も確認済みだ。
また、娘が目の前で亡くなった後、何をすべきか全く想像ができなかったので、下調べをすることにした。私は産後で動けないので、外国人の夫が主に動かなくてはならなくなる。日本人でも、何度も経験することではないので、知らないことも多いと思うが、外国人の夫には尚さらだと思う。私自身も、火葬場は葬儀社に併設されていると思い込んでいたぐらいだ。
まず手始めに、市役所に電話してみた。
「赤ちゃんが死亡したときの、手続き方法を教えてください」「いつ亡くなられましか?」「これから出産なんですが・・・」「へっ?産まれてないんですよね?」職員が混乱し始めたので事情を説明したが、確かに混乱するよな...
この電話で、病院から出される死亡証明書を持って市役所に行き、体を焼くための許可書をもらうことを教えてもらった(火葬許可書)
次に、火葬場に話を聞く為に電話をした。
「葬儀会社はどこですか?葬儀会社を通して欲しいんだけどな。それで、いつ焼きたいの?」
「まだ産まれてないんですが、すぐ亡くなるかもしれないんです。」
「葬儀はいつ?」
「・・・だから、まだ産まれてないんです。」
「決めてから電話してください。当日は、くれぐれも時間厳守でよろしくね。」
職員と話しながら、関西のおばちゃんに変身しそうな自分をこらえた。ドスをきかせて絡んではいけない。耐えたろ、耐えろ。
とりあえず分かったのが、火葬したい日時が決まったら連絡することだった。
私たち一般人にとって、死は人生の一大イベントだけれども、一部の人にとっては、仕事であり、死を見るのは生活の一部なんだなと感じた。
電話を切ったあと、息を止めて(のような思いで) 変身せずに持ちこたえたので、大きく一息吐いた。こういう苛立ちを心に入れてはいけない。頭にピキッと線が入った瞬間に、「イエス様、私の心を守ってください」と祈った。私の心は、この職員の面倒そうな冷ややかな言い方に全く影響を受けない!と宣言して祈り、自身の心を守った。私は、ジョイスに奇跡が起こされるように祈っているので、このような事務的な死の準備に感情を入れないようにしている。こういう場合は、淡々と行うことが大切だ。
家族が亡くなった後は、慣れないことばかりで時間もだが、精神的にも慌しくなる。病院から、ジョイスの死後2日間は一緒に過ごしてもいい言われており、その貴重な時間を葬儀や色々なことに割きたくなかったので、前もって打ち合わせすることを牧師夫妻にお願いした。
当初の計画では、家族葬ではなくて、皆に来て頂けるお葬式と感謝会を同時に行おうと思っていた。
ジョイスの死後すぐに、ジョイスを棺に入れて教会に連れてこようと思っていたが、産後の体の回復も気になるし、同時に感謝会(パーティー)する際に、遺体の入った棺を目の前に参列者はくつろいで飲食をする気になるのだろうか・・・色々話し合った。
そう話していると、夫が言い出した。
「棺の前で飲食がしにくいなら、皆で二階に移動しようか?」
パーティーのために全員が二階に移動したら、一階でジョイスが一人ぼっちになるからなぁ.. と誰かが言ったのに対して、
「 ジョイスの体が残っているだけで、ジョイスはそこにはいないから大丈夫だよ〜」と言う夫。
まぁ、確かにジョイスは天国にいることになるんだけど・・・やっぱり、気になる人もいるかもよと私が言う。
「じやあ、棺を担いで二階に上がるか?」言い出す。
ジョイスの棺が教会内をウロウロしているのを想像し、うーーーーん。一同顔を見合わせて、それも無いなという事になった。
夫のアイデアはユニークで良い提案になるときもあるが、皆が固まることも多い。皆「う・・・ん、それはどうかなぁ...」「へ~そんな風に考えるんだね」 ほ~へ~の連続。まるで、お互いの文化や価値を理解しあう国際交流会になってしまう。
こんなマイペースな私たちに、牧師夫妻は忍耐強く、最高の旅立ちにしてあげようと一生懸命になってくださる。また、死亡後の手続きや予約などを牧師婦人が手伝うと申し出てくださった。これで、夫の精神的負担はだいぶん軽減されると思う。共に喜び共に泣き、寄り添ってくださることを心から感謝したい。
先週の打ち合わせで、私たちの国際交流会、あっ違った・・・! 家族葬と別日程で行う旅立ち&感謝会(パーティー) の打ち合わせはようやく落ち着いた。
後は、神様次第で決行になるか、延期か、永遠に封印されるか・・が決められる。
~打ち合わせ風景~いつも和やかな雰囲気の中で行われる。娘のことも誰かが見ていてくれいる。たくさんの応援団が私たちを支えてくれる。ありがとう。「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい」ローマ人への手紙12:15