『脳がフワフワ浮遊してきているね。』
無脳症になった。
頭蓋欠損(とうがいけっそん)の末に無脳症となるのは知っていたが、
あまりにも早い進行でショックだった。
祈り方が今日から変わった。
前までは、 頭蓋骨が形成されますようにと祈っていたが、
今日からは、その後に、脳も形成修復されますようにと祈り始めることにした。
耳から上がスパンと切れた感じで何も写らないね 医師が言った。
初めて思った。この子の死に向かっている。
『主よ。あなたが癒されなければ、この子は死んでしまう』
診察が終わり、車に乗り込み再度エコ写真をみる。
やっぱり脳がない。今まで、奇跡が起こることと信じて常に祈った。
でも、起きなかったら この子は死んでしまうんだって悟った。
診察後一人になる車の中は、私の泣き場所であり、祈る場所である。
『神様、私の信仰を増してください。
からし種一粒ほどの信仰があるなら、山を動かせると言われます。
その信仰を与えてください。
そうすれば、この子の脳は修復されると思う。
そうすれば、頭蓋骨は形成されると思う。
主よ 私に小さくてもいいから本物の信仰与えてください・・・』
娘の癒しのために信仰を増してくださいなんて、変な祈りなのは知っていた。でも、彼女の命は神様次第であり、自分の無力さがよく分かったから、
そのようにしか祈れなかった。
毎回、まだか。まだか。まだ、脳は修復されていない、まだ頭蓋骨は形成されていないと焦燥感がつのる。
忍耐、忍耐・・・
24週 額から上が無い、エコーに映らない
するとイエスは言われた、「あなたがたの信仰が足りないからである。よく言い聞かせておくが、もし、からし種一粒ほどの信仰があるなら、この山にむかって『ここからあそこに移れ』と言えば、移るであろう。このように、あなたがたにできない事は、何もないであろう マタイの福音17章20節