妹が週末に産まれることを期待して、我が家でスタンバイしていたが、授業があるからと正午頃に関西へ帰っていった。
今日かも、明日かもと、母と妹が交代で来てくれている。「今回も産まれなかったね」と彼らの背中を見送り続けて一ヶ月半が経った。
今日の検診では、9月末で外来の診察をしなくなった私の主治医が、引き継いで診てくださる新しい主治医を紹介してくれた。
44週2日目に入り、今後どうするかの相談を3人でした。
胎盤が古くなるので、42週以前に赤ちゃんを産んでしまうのがほとんどで、44週で出産する人は日本ではほぼいない。この大きな病院でも私が初めてだという。もう出てくると思って待ってたけど、出てこないからどうしようかという話し合いだった。
選択肢は2つ。
①このまま、陣痛が来るのを待ち続けて、自然分娩をする。
②陣痛促進剤を使い、産んでしまう。
自然分娩が母体には一番安全だが、私の胎盤が古くなってきているから、赤ちゃんへの負担は大きくなる。
一方で、陣痛促進剤を使えば、必ず産まなくてはならない。
長女のときのように数日かかったり、ジョイスの頭部が欠損していることが原因で出てこれなかったとしても、手術や何かの方法で、必ずジョイスを私のお腹の中から出さないといけなくなり、後戻りできなくなる。
陣痛促進を使ったからと言って、ジョイスが無事に出てくるかは分からない。
私は、脳がほとんどない状態のジョイスが、陣痛促進剤を使って起こす、長時間になるかもしれない人工的な陣痛に耐えれるかも心配だった。
私の元主治医が言う。
僕はね、自然が一番いいと思うんだけどね、あなたはどうしたい?
「今すぐは、答えられません。夫と相談してみます。」
私の思いは、夫と相談してみます。そして、神様に聞いてみます、だった。
じゃぁ、相談してまた来てくれる?
予定日を決めるときに、私が提案した日に対して、私の元主治医がその日は僕だめなんだよ。この日はどう?と尋ねてくる。
新しい主治医を紹介されたけれども、元主治医も一緒に診てくれるようだ。そして、今日から私の主治医が二人になった。
元主治医が、新しい主治医に言う。
早く生まれるように、もう一度内診で刺激しといてくれる?
内心、言った。「さっき、したよね‼︎?十分、痛かったけど…もう一度するの?」
”痛い”が大嫌いな私の心の声が、元主治医に聞こえたのか、表情を読み取られたのか、元主治医が私に「早く産まれてほしいでしょ?」と一言。
「ハイ。」…
新しい主治医が私にいう。
この刺激で破水したらごめんね 。結構、膜が薄い感じがしたから、破水する可能性はあるわ。でも、そうしたら産むことになるわね。
「破水するかもしれないの !?」そして行ってもらったが、
痛い!痛い!今迄で一番痛い!
新しい主治医の”早く出てこい!”という、念と押しが痛みを通して伝わってきて有り難くはあったが、今まで診て頂いた医師の中でも群を抜いて痛かった。泣
検診後のバスの中で、ジョイスに言った。
「ジョイちゃんも頭を触られてビックリしたね。ママもビックリしたよ。新しい主治医の先生の想いは、強すぎて痛いよ。早く出ておいで〜 」
その時に、お腹に鈍い痛みがあったが、何度もこういうのに期待してはハズれきたから、特に気にせず バス停を4駅手前で降りてウォーキング、マンションの階段も上がりきり、15時に帰宅。
家に着いた時には、お腹がパーンと張り痛いぐらいだった。
私がブツブツ文句を言った この痛い〜内診が、 実は、効いたようだった。
この3時間後に、ジョイスが産まれことになるとは思ってみなかった。