「お母さん、頑張って!お顔が見えたよ!可愛いよ!!」
「可愛いの?見たい!会いたい!会いたい!」と分娩台の上で叫んだ。
その喜びとともに力が湧いてきて、3~4回ほど、きっと10分もしないぐらいで、ツルりと産みだすこができた。
出てきたジョイスの顔は、うっ血していた。ジョイスはなんと顔から、この世に”こんにちは~♪”と出てきたのだ。これは、全く想定していなかった。
よく主治医が言っていた。出産リスクの一つとして、頭が小さいからジョイスが首から出てきたら産道につっかえてしまったり、産道を傷つけるかもしれないし、それ以上お産が進まなくなってしまい胎児だけではなく、母体へのリスクも出てきてしまう。むしろ、逆子で出てきてくれたほうがまだいいとまで。
私たちは、頭部からまっすぐ出てくるように願っていたが、頭部(脳)から出てきたときは、ほとんど無い脳にさらに損傷を受けて生存できないんじゃないのか。色々考えると、とても複雑な思いだった。しかし、ジョイスは出口に真っ直ぐ顔を向けて、顔から出てきたのだ。
ジョイスの顔がうっ血しているのは、彼女がママを守るために、自分の首を隠し、顔で産道に道をつけて出てきたからだった。うっ血した顔は、ジョイスが必死にママの産道を守った戦いの証とママへの愛でした。
「ジョイちゃん、ありがとう。」
神様、あなたの賜物は本当に良いものでした。
私たち家族は、この小さな戦士をたたえたいと思います。